ネイティブにあなたの英語が伝わるか伝わらないかを決める要素はいくつかあるのですが、重要な要素の1つが「語順」です。日本人は、日本語を喋る際にそんなに語順に意識を向けないため、なかなかイメージしづらいのですが、英語という言語は「語順」が本当に重要です。いくら発音が良くても、英単語を並べる語順がバラバラであればあなたの英語は伝わりません。
逆に、発音がイマイチでも、語順さえ正しければ、あなたの英語は伝わります。よって、「英語で簡単なコミュニケーションが取れるようになる(=簡単な英会話ができるようになる)」ことを目標とするならば、まずやるべきことは「英語の語順を覚える」こと。英語の語順さえちゃんと覚えれば、あとは小・中学生で覚えるような優しい単語を並べるだけでも、ちゃんとした文章として英語を話すことができるようになります。
語順の重要性や、実際にどうやって英語の語順を覚えれば良いのかを、ここから詳しく解説していきます。
>>今回の参考資料はこちらです。
「一億人の英文法 ―すべての日本人に贈る「話すため」の英文法」
英文法の本を色々調べ、立ち読みを繰り返しましたが、この本が一番良いと感じました。量も質も素晴らしく、わかりやすくてスイスイ読めるところもGood。教科書的に一冊持っておくべき本だと思います。
英語と日本語は語順がまったく違う
「I ate breakfast at 7am this morning.」という英語の文章があります。日本語訳としては「私は今朝7時に朝食を食べた」となります。
では、この英文「I ate breakfast at 7am this morning.」を、この語順のまま日本語に訳してみます。すると、以下のようになります。
正しい英語の語順のまま日本語にしてみると「私は食べた朝食を7時に今朝」となります。順番がバラバラですね。ですが、これが日本語のすごいところなのですが、もし誰か外国人の方に「ワタシ タベタ チョウショクヲ 7ジニ」のように言われたら、あなたはきっと言っていることは理解できると思います。
では、同じように今度は日本語の「私は今朝7時に朝食を食べた」という語順のまま、英語に訳してみようと思います。
日本語として自然な語順のまま、それを英語に変えてみると「I this morning 7am breakfast ate.」と、やはり順番がバラバラになります。
このように、日本語と英語は語順がまったく違う言語なのです。わかってるよという方も多いかもですが、まずはここを理解しましょう。
英語は語順が違うと全然通じない
今回最も伝えたいことがこれ。「英語は語順が違うと全然通じない」ということです。
上記したように、日本語だとある程度語順が変わっても理解できることが多いです。今回の例文「私は今朝7時に朝食を食べた」の語順をさらに変えてみると、
- 私、今朝7時に食べたよ、朝食を
- 今朝、食べたよ私、朝食、7時に
- 朝食食べたよ、今朝7時に、私
もちろんこれ以上長い文になったら意味がわからなくなるかと思いますが、これくらいの長さの文であれば、たいてい私たちは語順が違っても理解できます。ですが英語の場合、語順が変わってしまうと、よほど簡単な文章や意味でない限りは通じません。
- I this morning 7am ate breakfast.
- This morning ate I breakfast 7am.
- Breakfast ate this morning 7am I.
これら3つの文章はすべて、アメリカ人には通じません。
日本語はとても表現力が豊かな言語であるため、かなり融通がききます。ですが、英語は「語順」というのがとても重要な言語で、間違った語順で単語を並べてしまうと意味が全く通じなくなってしまうのです。
英語は語順さえ正しくすれば伝わる
「語順を間違えると通じない」は、言い換えると「語順さえ正しければ英語は伝わる」ということになります。もちろん英単語を知らなければ元も子もないですが、自分が言いたいことを表現するための単語さえ知っていれば、あとは正しい英語の語順に沿って英単語を喋っていけば、自分の言いたいことがしっかりと通じるのです。
「正しい英語の語順」とは?
それでは、まず覚えたい基本的な正しい英語の語順をお伝えします。
英語はまず、必ず最初に「主語」がきます。
- I(私は)
- My friend(私の友達は)
- She(彼女は)
その主語の次には必ず「動詞」がきます。
- I have(私は持っています)
- My friend put(私の友達は置きました)
- She sings(彼女は歌います)
その動詞の次には「何を」を表す「目的語(=名詞)」がきます。
- I have a pen.(私は1本のペンを持っています)
- My friend put an apple.(私の友達は1個のりんごを置きました)
- She sings a song.(彼女は歌を歌います)
これが、基本的な英語の文章の正しい語順です。「主語(誰が/何が)」「動詞(どうした)」「目的語(何を)」という順番で単語を当てはめて喋れば、英語は伝わります。
この文章の後ろに続くものは「補足」です。なくても(=言わなくても)充分伝わるけれど、あったほうがより詳しく状況を伝えることができます。
- I have a pen with my right hand.(私は右手でペンを持っています)
- My friend puts an apple on the table.(私の友達は一個のりんごをテーブルに置きました)
- She sings a song at the top of the mountain every morning.(彼女は毎朝山の頂上で歌を歌います)
英語は基本的に「付け足し」の言語です。本当に大事なことを最初に言って(主語 + 動詞 = 誰・何が + どうした)、あとは情報を付け足し付け足しで補足説明をしていく、というイメージです。
英語の語順を覚えるための練習問題5問
英語の正しい語順を頭と体に叩き込んでもらうために、私が月1回行なっている英語勉強会で最初に行う演習問題が「英単語並び替え」です。これは、まず日本語の文章を読み、その文章の意味になるようにバラバラになった英単語を並び替えて正しい英文を作る、というもの。使う英単語はすべて問題に書いてあるため、あとは並び替えるだけ。
これを行うことで、英語が母国語ではない私たちが、英語を喋る時に頭の中で行うことを1つ1つ分解して練習することができます。
- 言いたいことを頭の中でまず日本語にする
- それを1つ1つ英単語にしていく
- 英単語を正しい語順に並び替える
- できた英文を声に出す
それでは、まずは例題をやってみましょう。
saw / yesterday / you / I
私は昨日あなたを見ました。
例題では、4つの英単語がバラバラに並んでいて、下には日本語の文章が書いてあります。このバラバラに並べられた英単語を、日本語の文章の意味になるように、正しい語順で並び替えていきます。
- 主語は? → 私は = I
- 動詞は? → 見ました = saw
- 何を見た? → あなたを = you
- いつ?(=補足説明)→ 昨日 = yesterday
となるため、正解は「I saw you yesterday.」となります。
では、以下の5問をぜひ挑戦してみてください(答えは一番下に書いてあります)。
oranges / yesterday / Kenji / two / bought
ケンジは昨日2つのオレンジを買いました。
summer / three / to / by / I / lose / kilograms / want
夏までに3キロやせたい。
is / lunchtime / this / busy / during / restaurant
このレストランはランチタイム中混んでいます。
2pm / meeting / a / at / have / I
午後2時にミーティングがあります。
her / front / found / the / in / of / she / house / dog
彼女は彼女の家の前で犬を見つけた。
では、以下が解答です。
【問題1の答え】Kenji bought two oranges yesterday.
- 主語は?→ ケンジは = Kenji
- 動詞は?→ 買いました = bought
- 何を買った? → 2つのオレンジを = two oranges
- いつ? → 昨日 = yesterday
【問題2の答え】I want to lose three kilograms by summer.
- 主語は? → 私は = I
- 動詞は? → やせたい(減らしたい) = want to lose
- 何を? → 3キロ = three kilograms
- いつ? → 夏までに = by summer
前置詞「by」には「〜までに」という意味があります。前置詞の使い方については、改めて記事を書こうと思っています。
【問題3の答え】This restaurant is very busy during lunchtime.
- 主語は? → このレストランは = This restaurant
- 動詞は? → 混んでいる(=忙しい) = is busy
- いつ忙しい? → ランチタイム中 = during lunchtime
「busy = 忙しい」は動詞ではなく形容詞なので、be動詞の「is」が必要になります。また、前置詞「during」には「〜中(ちゅう)/〜の間」という意味があります。
【問題4の答え】I have a meeting at 2pm.
- 主語は? = 私は → I
- 動詞は? = あります → have
- 何がある? = ミーティングが → a meeting
- いつ? = 午後2時に → at 2pm
時間を表す場合、前置詞は「at」を使います。
【問題5の答え】She found the dog in front of her house.
- 主語は? = 彼女は → She
- 動詞は? = 見つけた → found
- 何を見つけた? = 犬を → the dog
- どこで? = 彼女の家の前で → in front of her house
「in front of」は「〜の前で」という意味の熟語です。
まとめ
今回は「英語の語順」がどれくらい重要か、について解説しました。今回はとてもシンプルな語順だけを使って説明しましたが、この語順にはいくつか異なるパターンがあります。そのパターンのことを「文型」といい、学校では「第1文型」とか「第4文型」といって習います。他の文型については、またの記事で詳しく解説しようと思います。
もしあなたの家に、今使っている(もしくは昔使っていた)英語の教科書や問題集があったら、そこに載っている英文を自分でバラバラにして、日本語訳と一緒に書いて、「英単語並び替え問題集」を自分で作ってみましょう。それを、正しい語順に並び替えるというトレーニングをひたすら行うことで、だんだんそれが頭の中で自然にできるようになります。そうすれば、もう英会話の頭の完成です。
留学しなくたって、英語は喋れるようになります。ぜひ練習してみてください。
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