「腹筋」を鍛えるとき、あなたはどんなトレーニングを行いますか?ジムに行って、上の写真のようなマシンを使う方もいれば、家で同じようなフォームで床に寝て行う方もいるかもしれません。
ですが、間違ったフォームで行うと腰を傷めてしまう可能性もあります。また、効果的ではない腹筋トレーニングをひたすら行うのも効率的ではありません。
今回は、2つの研究論文をもとにして、より効果的で、より安全に行うことができる腹筋トレーニングを厳選して5つ紹介していきます。
>>参考にした文献はこちら。
「Electromyographic Studies in Abdominal Exercises: A Literature Review」
様々な「腹筋」エクササイズを、EMGという装置を使って筋肉の働きを分析、考察した論文です。
「Core Muscle Activation During Swiss Ball and Traditional Abdominal Exercises」
EMGという筋肉の活動を記録する装置を使って 、様々な腹筋トレーニング中の腹筋群の活動を調べた研究です。
腹筋おすすめトレーニング5選
今回の参考文献では、バランスボールを使った8つの腹筋トレーニングや、腹筋のトレーニングとして世間でもよく知られているようなトレーニングにおいて、EMGという装置で腹筋群の活動量を調べ、どのエクササイズがより腹筋群の活動量が多いかが調べられました。
その結果、比較的腹筋群の活動量が多く、効率的に腹筋群を鍛えることができると思われるエクササイズを5つ紹介します。
サイドブリッジローテーション
特に「外腹斜筋」に効くトレーニングです。
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- 身体は横向き
- 片方の手を床につき、両足は揃える
- 骨盤を持ち上げる(床についているのは手と足のみ)
- 頭から足までまっすぐの状態を作る
- 床についていない方の手は天井に向かってまっすぐ伸ばしてキープ
- 体をひねりながら、上にあげた手をゆっくり床側の脇の下を通す(右写真参考)
- できる限り体をひねったら、また元の位置まで手をあげて戻ってきます
できる限り体をひねって、手を遠くに伸ばせば伸ばすほどキツくなります。ぜひ頑張ってみてください。
ロールアウト(Roll-out)
腹筋のローラーを使ったエクササイズのような動きを、バランスボールを使って行います。バランスボールは他にも様々なエクササイズで使うことができるので、家に1つ置いておくのはオススメです。
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- 両膝立ちになって、手をバランスボールの上に乗せる(=スタートポジション)
- 肘を伸ばした状態から、徐々に肘を曲げながら、バランスボールを自分から遠ざけるようにして、両膝を伸ばしていく
- 両肘がバランスボールにつくところ(肩関節90〜100°)まで転がす(=右写真参考)
- 肘から肩までは一直線をキープする(腰が反ったり猫背にならないように気をつける)
- そのままスタートポジションまで戻ってくる
「バランスボールを使った体幹トレーニング5選【上級者向け】」の記事でも、腹筋トレーニングを紹介しています。かぶっているトレーニングもありますが、よかったらこちらも読んでみてください。
ニータック(Knee Tuck)
地面についているのが両手のみなので、上半身(肩甲帯)の安定性も鍛えることができるエクササイズです。
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- 足をバランスボールの上にのせ、腕立て伏せをするようなポジションからスタート
- 股関節と膝を曲げながら、バランスボールを自分の方に向かって引きつける
- 上半身の動きはなるべくなくす
- お尻があまり上に上がらないようにして、膝をしっかりと胸に引きつける
これが安定してできるようになったら、次に紹介するパイクに挑戦しましょう。
パイク(Pike)
最後、上半身は倒立のような状態になるため、上半身の力が必要になります。非常に強度の高い腹筋トレーニングとなります。
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- スタートポジションはニータックと同じ
- 膝を伸ばしたまま、お尻を天井に向かって持ち上げるようにしてバランスボールを自分側に引きつける
- 股関節が90°くらいになるところまで引きつける
特に、下部の腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋に効くエクササイズです。
スキーヤー(Skier)
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- スタートポジションはニータックと同じ
- 膝と股関節を曲げながらバランスボールを体側に引いてくるところもニータックと同じ
- 膝をまっすぐ胸の方に持ってくるのではなく、それぞれの肩の方に持ってくる
少しひねるような形になります。その形が、スキーで斜面を滑り降りてくる際のターンの感じに似ていることから、スキーヤーという名前がついています。外腹斜筋に特に効くエクササイズです。
まとめ
今回の記事で紹介している腹筋トレーニングでは、特に「内腹斜筋」「外腹斜筋」「上部腹直筋 」「下部腹直筋」を効率よく鍛えることができます。
いくつかの研究では、腹筋・コアのトレーニングをして身体の中心部が安定することで、女性は膝の怪我(前十字靭帯など)のリスクが減る、という報告もされています。腹筋のトレーニングは全体的なパフォーマンスの向上だけではなく、怪我の予防にもつながるようです。
なお、参考文献では「3秒リズム」による腹筋トレーニングがすすめられています。
3秒リズムで行うというのは、1秒でスタートポジションから最後のポジションまでいき、その状態で1秒キープ、その後1秒かけてまたスタートポジションに戻る、というやり方です。
ぜひ上で紹介した腹筋トレーニングを、あなたのトレーニングメニューに加えてみてください。
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